🕌 仏教語はなぜ呉音か:「経」がkyōで「業」がgōの理由

日本の仏教用語は、5〜6世紀に朝鮮の僧を通じて伝わった古層の漢語音「呉音」を保存している。漢音が世俗語彙を席巻するよりも何世紀も前に仏典の読み方が呉音で固定されたためだ。

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一字に二つの音読み

漢字のほとんどは呉音と漢音という二種類の音読みを持つ。「経」は呉音できょう、漢音でけい。「お経」はきょう、「経済」はけいを使う。この使い分けは系統的だ。

最初の波:朝鮮の僧侶たち

5〜6世紀、百済・高句麗の学僧を通じて日本に漢字が伝わった。彼らが伝えた漢字音が呉音である。揚子江南方の「呉」地方にちなむ名称だが、これは数百年後に漢音の推進者たちがつけたとみられる呼び名だ。南朝の都・建康(現在の南京)付近の発音を反映するという見方が有力だが、それを裏づける同時代の記録はなく、朝鮮半島経由でどの程度変化したのかも明らかでない。仏典・読誦・寺院儀礼はこの音韻体系で定着した。

唐代の権威音:漢音

7〜8世紀、遣唐使が長安の発音を持ち帰った。これが漢音で、「政治(せいじ)」「文化(ぶんか)」「経済(けいざい)」のように朝廷語彙を塗り替えた。しかし仏教界はすでに数百年の伝統があり、お経の読み方を新しい世俗標準に合わせようとはしなかった。

実例

「業」は呉音でごう(業karma)、漢音でぎょう(行業)。「極楽(ごくらく)」は全て呉音。「道」は「道路(どうろ)」では呉音のドウ、「神道(しんとう)」では漢音のトウ。呉音は日常語にも数多く残っているのだ。

「経」を地図に表示📍 音読みの層を強調 — 日本語(標準)

出典

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